表示色
文字
ふりがな
とても遅い
標準
とても速い
読み上げ速度
表示色
文字
ふりがな
教育と他分野との連携

医療との連携

医療機関との連携は、診断や診療を受けるだけではなく、学校内の支援体制づくりにも欠かせないものです。医療機関からの情報を校内委員会などで共有し、指導・支援に生かすことが大切です。
子どもが診療を受けている医療機関と連絡を取る場合は、保護者の同意を得ることが原則です。養護教諭や特別支援教育コーディネーターなど、連携の窓口になっている先生に相談してから行うとよいでしょう。

*参考資料

 

学校医との連携

学校医には、子どもたちの心身の健康課題や受診の必要性、校内の環境調整のしかたなどについて相談することもできます。

また、発達障害のある子どもは診察や検査が苦手な場合も多いので、健康診断を行うときには配慮や工夫が必要です。たとえば、絵・写真・動画などを使った事前指導、実際の器具を使った模擬体験、健診を受ける順番や場所の変更などが考えられます。事前に保護者から聞き取った情報をもとに対応策を考え、関係者で共有しましょう。学校健診での成功体験によって、病院ぎらいだった子どもの受診への抵抗感が和らぐこともあります。

*参考資料

 

受診をすすめる

診断が必要と思われる場合や二次的にあらわれる心の不調が疑われる場合などは、養護教諭やスクールカウンセラーに相談し、校内委員会などで医療機関受診の必要性について検討しましょう。

発達障害のある子どもの中には、睡眠障害、摂食障害、自律神経失調の症状などがみられたり、学校での生きづらさを感じ続けることで抑うつ症状などがあらわれたりする子どももいます。また、このような心身の不調がきっかけとなって、発達障害に気づくこともあります。

*参考サイト

子どもの心の診療ネットワーク事業(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター)

 

主治医との連携

医療機関で診療を受けている子どもについては、保護者の了解のもと、主治医との情報共有をしましょう。電話やメール、文書、診察への同行など、養護教諭やスクールカウンセラーなどと相談しながら検討してください。学校生活での配慮点や対応方法など、医療機関からの助言を校内委員会や学年会などで共有することが大切です。また、薬を服用している場合は、養護教諭や担任の先生が学校での留意点を把握しておく必要があります。

学校の集団場面での子どもの様子は、主治医にとって診断や診療に欠かせない情報でもあります。また、学校の先生の子どもへの対応が治療的な意味合いをもつことも少なくありません。したがって、集団を基本とする教育と個別を基本とする医療における立場と役割の違いを踏まえた上で、それぞれの機関での目標や支援方針などをお互いに確認しておくことが大切です。

*参考サイト

子どもの心の診療ネットワーク事業(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター)

 

医療情報の取扱い

診断名や服用している薬の名前などは、守秘義務がある個人情報です。学校で作成する文書への記入、保護者や医療機関から提供された情報の保管など、プライバシーポリシーの規定に基づいて行う必要があります。

また、子どもへの配慮や支援について周囲の子どもたちや先生方に理解を求める場面では、障害や特性についてどのように伝えるかが重要なポイントになります。「誰に、どのように伝えるか」ということについて、本人や保護者の意向を必ず確認し、可能であれば一緒に考えるとよいでしょう。