困ったときの対応について、Q&A形式で情報提供しています。ご本人やご家族などから同様の問い合わせがあったときに、回答例として参考にしてください。
Q
家族(子ども、配偶者、親など)が発達障害ではないかと思われます。相談できる窓口はありますか?
A
相談は市区町村の福祉課などで受け付けています。自治体によって担当する課の名称が異なりますので、ご注意ください。自治体のホームページなどで、あらかじめ調べてから行くとスムーズかもしれません。
- 全国自治体マップ検索 (地方公共団体情報システム機構)
専門的な相談が必要と思われる場合は、発達障害者支援センターもあります。国の事業として、都道府県・指定都市が直接もしくは委託して運営していますので、相談にかかる費用は無料です。また、発達障害の診断がなくても相談を受けられますし、ご家族や会社の同僚など周囲の方々からの相談も受けています。必要に応じて医療機関や事業所などの紹介もしていますので、お住まいの地域を管轄する発達障害者支援センターを以下のホームページから探してみてください。
- 発達障害者支援センター一覧 (発達障害情報・支援センター)
Q
発達障害と診断された大学生です。卒業論文が書けずに困っています。留年が決まってしまいましたが、それでも取り組むことができません。
A
発達障害のある学生にとって、卒業論文に限らず、大学生活の中では履修登録などさまざまな困難があります。ひとりで悩みを抱え込んでいてもなかなか解決できませんので、専門の支援者や専門機関などに相談をしましょう。各大学では障害学生支援室が充実してきていますので、在籍している大学にあるようならば活用しましょう。また、保健センターで相談を受けている大学もあるようです。障害学生支援室の名称は大学によってさまざまな呼び方をしていますので、大学事務の職員に確認するとよいでしょう。また、日本学生支援機構にも参考となる情報が掲載されています。
- 障害学生支援 (独立行政法人 日本学生支援機構)
在籍している大学に障害学生支援室などの相談できる場所がない場合は、お住まいの地域を管轄する発達障害者支援センターにご相談ください。
- 発達障害者支援センター一覧 (発達障害情報・支援センター)
以下のページにも関連の情報が掲載されていますので、参考にしてください。
- 大学生活 (発達障害情報・支援センター)
- 大学のカリキュラムを組めず講義をさぼっているAさん (発達障害情報・支援センター)
Q
20代の女性です。仕事を始めてから自分の失敗が目立ち、徐々に増えてきています。チームで仕事していますが、明らかに自分のミスが多く、失敗しない日はほとんどありません。ためしに大人のための発達障害のチェック診断をしてみたら、当てはまることが多かったので心配です。自分のことを知りたいと思っています。
A
診断を希望するのであれば、医療機関を受診する必要があります。発達障害の対応をしている医療機関は「医療機能情報提供制度(医療情報ネット)」を利用すると便利です。お住まいの都道府県のサイトから「発達障害」などのキーワードを使って検索してください。
- 医療機能情報提供制度(医療情報ネット)について (厚生労働省)
医療機関を受診する際は、あらかじめ相談したいことやご自身の生育歴などを整理してから行くとスムーズかもしれません。以下のページに関連の情報が掲載されていますので、参考にしてください。
- 医療・相談機関へ行くときには (発達障害情報・支援センター)
医療機関は敷居が高いとお考えの場合は、市区町村の窓口や発達障害者支援センターなどへ相談されるとよいでしょう。発達障害者支援センターは、国の事業として都道府県・指定都市が直接もしくは委託して運営していますので、相談にかかる費用は無料です。また、発達障害の診断がなくても相談を受けられますし、必要に応じて医療機関や事業所などの紹介もしていますので、お住まいの地域を管轄する発達障害者支援センターを探してみてください。
- 全国自治体マップ検索 (地方公共団体情報システム機構)
- 発達障害者支援センター一覧 (発達障害情報・支援センター)
Q
発達障害で障害者手帳をもっていると、どのようなサービスが受けられるか教えてください。
A
障害者手帳をおもちであれば、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」または「児童福祉法」に基づく障害福祉サービスが受けることができます。
- 障害福祉サービスについて (厚生労働省)
児童福祉法による障害福祉サービスについて
- 児童発達支援
未就学(~6歳)の児童を通所させて、日常生活の基本的動作の指導や、社会的に自立するための訓練を行うサービスです。福祉型と医療型、さらに児童発達支援センターと児童発達支援事業があります。
- 放課後等デイサービス
放課後や夏休みなどの長期休暇を利用して児童に生活能力向上のための訓練などを継続的に行うサービスです。学校とも連携して発達障害の児童の自立を促すとともに、放課後の居場所にもなります。
- 保育所等訪問支援
児童指導員や保育士、心理士、理学療法士、作業療法士などが、保育所などを利用する発達障害の児童や今後利用する予定がある児童を訪問することで、保育所などでの集団生活適応のための専門的な支援を受けることができるサービスです。
〇障害児入所支援
施設に入所して発達障害を含む障害を持つ児童に、その障害に応じた適切な支援を提供するサービスです。(障害児入所支援を利用する場合は、児童相談所への申請となります。)
※サービスの相談、申請の窓口は市区町村の福祉課などになります。申請の流れは以下のページをご参照ください。
- サービスの利用手続き (厚生労働省)
また、申請にあたっては、サービス等利用計画書の作成などが必要になります。わからないことがある場合も、まずは窓口に行って相談してください。また、サービス利用後も、継続的に相談などが必要なときは、「相談支援」を窓口にて情報提供してもらい、利用することによって手伝ってもらえます。
⇒相談支援:発達障害をもつ児童やその保護者の方が障害福祉サービスを利用したい場合、「どのようなサービスをどの程度利用するのか」を主に相談できるサービスのことです。
- 障害のある人に対する相談支援について (厚生労働省)
★障害福祉サービスは、障害者手帳の所持の有無によるものだけではありません。障害福祉サービスの手続きや詳細は、まずは市区町村の窓口でお問い合わせください。
Q
自分は発達障害がある40代の男性です。今は福祉的就労をしていますが、今後、一般就労を目指しています。発達障害の人に向いている職業・職種を教えてください。
A
得意なこと、苦手なことは発達障害と一口にいっても個人差がありますし、作業の処理能力やスピードなども人によって異なります。一概に発達障害のある方に向いている職業・職種ということで断定はできませんので、自分に向いている仕事(職業適性)を知った上で職業の選択をするとよいでしょう。
- 働きたいが、仕事をやれる自信がないBさん (発達障害情報・支援センター)
福祉的就労をしているのであれば、身近なところで、利用している事業所の職員や相談支援専門員に相談をするのがよいでしょう。その上で自分の職業適性については、職場見学や職場体験実習、公共職業安定所(ハローワーク)での職業相談などの利用をプランに盛り込んでもらうのがよいと思います。
あくまで傾向としてですが、発達障害のある方にとって「良い人間関係を築く」必要がある仕事は避けた方がよいでしょう。たとえば、営業職や接客業などがこれにあたります。また、重機などの操作や危険物の取り扱いも避けた方がよいようです。厳しいノルマやスピードを求められる仕事はその作業に秀でている人はよいかもしれませんが、そうでなければ避けましょう。
適している仕事としては、清掃業、工業系(部品管理など)、翻訳業、研究職、芸術系、IT系などがあげられているようです。これも個人差がありますが、理由としては専門的な知識や技術が必要とされる、独特の感性や優れた音感が求められる、集中力や忍耐力が求められることなどがあります。
具体的な相談は発達障害者支援センターやハローワークの障害者窓口など、地域によって就労支援に関するさまざまな資源がありますので活用しましょう。以下の関連ページも参考にしてください。
- 仕事が続かないEさん (発達障害情報・支援センター)