フォローアップ

就職の前後では、生活リズムや本人を取り巻く環境は変化します。とくに就労経験が乏しい若年者などにとっては、これまで経験したことがないような大きな変化です。そのため、心身の不調や不適応行動を起こしてしまうケースが多くみられます。

就職直後の大きな変化を乗り切り、長い職業生活の好スタートが切れるか、就職直後のフォローアップはとても大切な支援です。ジョブコーチの支援での就職後3ヶ月程度を集中支援期に設定するのも、この時期の支援ニーズが高く、その後の職場定着を大きく左右する大切な時期だからです。

就職直後は、障害の有無に関わらず不慣れな点が多く、業務や環境への適応に四苦八苦するのは当然です。この時期に問われてくるのは、仕事そのものの能力「ハードスキル」よりも、対人関係スキルや仕事に対するモチベーションなど、仕事に直結しないけれども日常生活能力や人間関係など就労生活に間接的に関わる能力「ソフトスキル」といわれています。就職後1年未満など比較的短期間での離職の要因は、職務や職場環境とのマッチングミスまたはソフトスキル不足がその大半を占めます

機関連携の重要性

職場内での不適応や日常生活の乱れなどを要因とした問題は、突然表出するのではなく、その前段階として「服装の乱れ」や「居眠りや遅刻」、「仕事に対する意欲の低下や表情の乏しさ」など、何らかの変化があります。フォローアップでは、小さなサインをキャッチし、大きな問題となる前に迅速に解決に導くことが肝心です。

小さな気づきを逃さないためにも、本人の生活を支援するグループホーム、家庭、医療機関、障害者就業・生活支援センターや職場適応援助者など、本人を取り巻く複数の関係機関とのそれぞれの役割に応じた連携が大切です。

企業に対するフォローアップ

フォローアップの対象は障害者はもちろん、雇用する企業も含みます。特に障害者の雇用経験が乏しい企業は、障害者との関わり方、障害に対する理解など、一つひとつが初めてのことです。まずは、本人と企業の双方が、フォローアップの必要性を理解していることが重要です。フォローアップ支援の大半は、業務中の本人や関係者に向けて職場などで行われます。本人や企業にとって負担とならないような支援方法を事前に決めて、関係機関同士で共有しておくことも大切なポイントです。

関連する資料

就職後のフォローアップ、職場定着に関する2つの調査研究をご紹介します。

障害種別ごとに職場定着に影響する要因などを分析した調査研究です。ハローワークを通じて就職した障害のある方の職場定着状況に関する調査ですが、「発達障害者の人数が少ないことに留意しつつも、就職後1年時点の職場定着率と各支援利用割合において、そのどちらも他の障害者と比べて高く、職場定着率に関連する項目は、チーム支援、就職後の公共職業安定所の指導及び支援機関による定着支援、配置型ジョブコーチによる支援、障害者トライアル雇用奨励金であった」と分析されています。雇用支援制度の活用や関係機関のチーム支援によるフォローアップが職場定着に良い影響を与えていることがわかります。

 

発達障害のある就業者の職業生活への満足度と職場の実態に関する調査研究です。実際に企業などで就業する発達障害者へのアンケート調査ですが、職業生活に対して、どのようなときに満足度が高まるのか、それに必要な支援はどういうものかを示しています。フォローアップおよび企業での継続雇用に向けた取り組みの参考としてください。