職業評価(職業アセスメント)
職業アセスメントには、大きく分けて「職業上の特性や強みの把握」と「職業に対する本人の希望や意向の把握」の2つの機能があります。
ここでいう職業上の特性の把握とは、以下の4つの側面で体系的に把握、分析することです。
また、側面ごとに個別にとらえるのではなく、たとえば精神的側面の「数的処理」が、社会的側面の「金銭管理」や職業的側面の「正確な作業遂行」など、異なる側面で関連する項目がどのように影響しているか、つながりのある側面として把握・分析し、体系的に被評価者の特性をとらえることが大切です。
アセスメントの方法としては、面接・調査による方法、厚生労働省編一般職業適性検査(GATB)やVPI職業興味検査や各種心理検査などによる方法、特定の場面を設定しロールプレイを行う中での言動観察、実際の職場を活用した職場実習など、アセスメントの目的によりさまざまな方法があります。
- 厚生労働省編一般職業適性検査(GATB)(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
- VPI職業興味検査(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
評価者は、アセスメント実施前に被評価者へ目的、方法、その後の見通しなどを説明します。その後のプランニングや支援を、より効果的に進めていく上で被評価者の理解と納得、承認が大切です。また、アセスメントで得られた結果は、常に見直し、必要な場合は再度試行し精度を高めていきます。
もっとも重要なのはアセスメントの結果を、被評価者へフィードバックすることです。評価者は、被評価者に対して「あなたは〇〇です!」と、評価の内容を断定的に伝えることはしないでください。フィードバックの過程では、被評価者が評価の内容を理解することで、自らの強みや特性の理解を深め、被評価者自らが「どのような支援が、どれくらい必要か」を考えられること、本人の理解が深まるよう働きかけることが大切です。
ここで、アセスメントとプランニングの組み立て方について、事例を交えわかりやすくまとめられたハンドブックを紹介します。ぜひ、ご活用ください。
- 就業支援ハンドブック実践編 アセスメントとプランニング(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター)