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就労支援の技法

職務開発(職務創出支援)

障害のある方を雇用するにあたり、企業が抱く不安として「何をやってもらえばよいのかということに非常に困った」、「障害者一人ひとりに合った仕事をみつけることができるかも不安」といった職務創出の難しさを訴える声が多く聞かれます。

また、発達障害のある方の離職理由を調査したところ、「人間関係がうまくいかなかった」、「仕事内容が合わなかった」という理由が上位を占めています。就業時間や賃金、就業場所の環境など勤務条件や職場環境、障害特性へ配慮が必要なことと併せて、担当職務とのマッチングが非常に大切であることがわかります。

精神障害および発達障害のある方の特徴として、これまでの度重なる失敗経験などから自己効力感や自己肯定感が乏しい傾向があります。働く本人にとっては担当職務に対して「やりがい」を感じつつ企業の構成員として成長できるか、企業にとっては一人の従業者として企業に対する貢献度をいかに上げられるかは、担当職務の開発から始まるといっても過言ではありません。

この課題を解決するための方策の一つとして職務開発があります。これは企業内にすでにある職務について、業務内容や役割、フローなどを見直し、労働者の特性や課題に合わせて組み立てなおす手法です。

関連する資料

地域障害者職業センターで実施される職務創出支援に関するアンケート調査をもとにした研究を紹介します。特に多様な障害特性に対する十分な配慮が必要である精神障害や発達障害のある方を対象とした職務創出支援モデルと、モデルの考え方についてまとめられています。また、事例も複数紹介されています。企業に向けて職務創出支援を組み立てる際には参考にしてください。

こでまで広く活用されてきた職務創出の方法は、知的障害者への支援を契機として考え出されたものです。この調査研究では「切り出し・再構成モデル」と呼んでいます。

 

将来像を意識しつつ、一定の時間をかけて目標とする職務像に向けて経験や知識を積み上げていく「積み上げモデル」と、本人の得意分野や強みに着目し、職務を構築する「特化モデル」の3つの職務再構築モデルを提案しています。